「死んでいるけれど、生きている」

秋といえば秋刀魚。
今年はようやく手に入りやすくなりましたが、かなりスリムです。昔はもっと太かったですよね。
さて、最近の子達は頭のついた魚を見る機会が少ないようで、
「これ、生きてるの?」なんて、聞いてくる子も!
先ずは、しっかり観察です。
「魚ツルツルして気持ちい〜!」
「げぇ~、気持ち悪い〜」
「口、結構ひらくよ!舌もある!」
「目玉、プニプニ!」
「かわいぃ~」
「くさいー!」
「なんか出てきた!(う○こ?)
「血が出てきたー」
「ぎゃー」
たくさん観察した後は、オイルパステルで、混色しながら、色を見つけて描きました。
いざ描き始めると、
先ほどのざわつきがウソのように、集中モードになりました。
単色で塗る紫と、混色でつくる紫の違い、
白といっても様々な種類の白があること。
混色する事で、厚みのある奥深い色になります。
目の前の秋刀魚は、死んでいるけれど、
卵から孵り、成魚になるまで生き抜き、
何ヶ月も海を泳いぎ、引き締まるからだ。
血の通った”生物としての秋刀魚”であるということ。
描き終わってからの鑑賞会では、皆が作品を見て、
「からだの厚みを感じる。」
「前に進もうとする感じがする。」
「表情があってカワイイ。」
「死んでるんだけど、生きている感じがする。」
「色々な色で描かれているから、魚からオーラが出ているように見える。」
といった感想がありました。
これは、人や植物を描く時にも感じますが、混色のもつ力でもありますね。色彩の重複さは命を感じます。
そこに、作者の思いが入ると、絵に命が宿りますね。
持ち帰った秋刀魚は、その日の食卓に上がったようですが、保護者の方から、こんな印象に残るエピソードを伺いました。
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娘は、魚アレルギーがあり、いままで食べたことありまんでしたが、「食べてみたい。」といって一口だけ食べてみました。すると「美味しい!」といってアレルギー反応も出ませんでした。
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楽しい経験が、
新たな一歩につながるって最高ですね。^ ^
臨床美術プログラム「秋刀魚の観察画」
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